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藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 宇都野 穣; 吉田 賢市*; 足立 竜也*; Algora, A.*; Csatls, M.*; Deaven, J. M.*; Estevez-Aguado, E.*; Guess, C. J.*; et al.
Physical Review C, 100(3), p.034618_1 - 034618_13, 2019/09
被引用回数:12 パーセンタイル:76.6(Physics, Nuclear)大阪大学のリングサイクロトロンにてO(He,)F反応実験を行い、その荷電交換反応の断面積から、のガモフテラー遷移分布の励起エネルギー分布を測定した。その結果、Fの基底状態へのが3.1と非常に大きく、その他の励起状態への遷移強度は小さいことがわかった。この実験結果を大規模殻模型計算や乱雑位相近似計算と比較し、基底状態への強い遷移が理論計算によってよく説明されることがわかった。
小林 進二*; 逆井 章; 小出 芳彦; 坂本 宜照; 鎌田 裕; 波多江 仰紀; 大山 直幸; 三浦 幸俊
プラズマ・核融合学会誌, 79(10), p.1043 - 1050, 2003/10
JT-60Uでは従来より分光器とCCDカメラを組合わせた荷電交換分光(CXRS)装置を開発しており、最高16.7ミリ秒でのイオン温度・回転速度計測が行われてきた。今回開発したフィルター法を用いた装置は、中心波長の異なる3つの干渉フィルターに光電子増倍管を組合わせることによって、従来より1桁以上速い時間分解能でスペクトルを分光計測することが可能である。各干渉フィルターを透過する信号の強度比はスペクトル形状を反映しているので、Maxwell分布を仮定し、強度比をあらかじめ計算したうえで実測値と比較することにより、イオン温度・回転速度の時間変化を短時間に評価することができる。ADCのサンプリング時間は最高160マイクロ秒で、最大空間6点の同時計測が可能である。本計測装置をJT-60Uのプラズマに適用したところ、従来の装置では観測できなかった、内部崩壊及び周辺部崩壊におけるイオン温度と回転速度の急速な時間変化を0.8ミリ秒で評価することが可能となった。
Mironov, M. I.*; Khudoleev, A. V.*; 草間 義紀
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/07
JT-60では、イオンサイクロトロン波を用いた少数イオン加熱によってMeV領域まで加速されたイオンは、水素様の軽元素不純物イオンとの荷電交換によって中性化され、プラズマを飛び出して中性粒子分析器で検出される。中性粒子ビーム(NB)との荷電交換で生成される水素様の不純物イオンは、トロイダル方向に動き、分析器の視線を横切る。そのため、NBが分析器の視線を横切らなくても、NBは分析器信号を増大させる。不純物イオンは、トロイダル方向及びポロイダル方向に動くため、分析器の視線に対する各々のビームの寄与を注意深く取り扱うモデルを開発してきた。JT-60では、NBは多様なトロイダル位置から異なった角度でプラズマに入射される。この論文では、各々のNBからの分析器信号への寄与を評価することにより、異なる半径から放出される中性粒子を区別でき、その結果、局所的なエネルギー分布を測定できることを示す。NBによって生成される水素様不純物イオンの空間分布を計算するため、トカマクの配位やNB入射を正確に取り入れ、ビームのプラズマ中での減衰,不純物イオンのトカマク磁場中での運動,プラズマイオンや中性粒子との衝突を取り扱うことができるモンテカルロコードを開発した。
上原 和也; 前田 満; 津島 晴*; 雨宮 宏*
Journal of the Physical Society of Japan, 72(1), p.94 - 100, 2003/01
被引用回数:2 パーセンタイル:21.39(Physics, Multidisciplinary)周辺プラズマの輸送モデルについての研究の集大成である。トカマクの周辺プラズマにおける磁気面に垂直な輸送が、粒子保存則及びエネルギー保存則を用いて評価される。従来のモデルに電離と荷電変換による損失項を加えさらに温度勾配による輸送への寄与を含めて精密化した。シースポテンシャルで加速される粒子束を含んだ、連続長についての詳細な考察もAppendixに含めた。得られた表式により、JFT-2Mの静電プローブで測定されている実験値を代入して、輸送係数を評価した。
河内 哲哉; 加道 雅孝; 田中 桃子; 長谷川 登; 長島 章; 加藤 義章
Journal de Physique, IV, 11(Pr2), p.Pr2_225 - Pr2_258, 2001/07
荷電交換再結合は、(1)再結合断面積が10cmと大変大きいこと、(2)再結合する先が選択的であることなどの理由で、X線レーザーの高効率化のうえで有用な方法であると考えられている。今回、われわれは、炭素プラズマと中性子のヘリウム原子の衝突を考えて、その際に荷電交換再結合によって生じる水素様炭素n=3の励起状態と同イオンの基底状態間の反転分布量を数値シミュレーションによって評価した。さらにこの方法による予備実験を行ったので、その結果についても報告を行う。
難波 慎一; 河内 哲哉; 長谷川 登; 永島 圭介; 助川 鋼太*; 加道 雅孝; 田中 桃子; 大道 博行; 加藤 義章
International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics, 11(1), p.1 - 7, 2000/12
荷電交換再結合に必要とされる多価イオン生成法として、超短パルスレーザーをクラスターを含む高密度ガスに照射するという手法を採用している。本発表では、窒素クラスターに超短パルスガラスレーザーを照射し、多価イオンの生成効率を分光的に調べたので報告する予定である。また、クラスターが膨張した後の再結合プラズマに関するボルツマンプロットから水素様,ヘリウム様窒素イオンの励起準位間で反転分布が生じていることが観測されたので、これについても議論する。
Sherrill, B. M.*; 秋宗 秀俊; Austin, S. M.*; Bazin, D.*; Van den Berg, A. M.*; Berg, G. P. A.*; Caggiano, J.*; 大東 出*; 藤村 寿子*; 藤田 佳孝*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 432(2-3), p.299 - 304, 1999/08
被引用回数:39 パーセンタイル:91.81(Instruments & Instrumentation)二次トリチウムビームが560MeV粒子の分裂反応から生成され、中間エネルギー領域での(t,He)反応に用いられた。実験は国立超伝導サイクロトロン施設で行われた。分散整合技術とRay-tracingを用いて350MeV(t,He)反応で分解能160keVが達成された。この結果は中間エネルギー領域で不安定核ビームを用いても(n,p)タイプの核反応を用いた核構造の研究が開始できることを意味している。
J.S.Koog*; 逆井 章; 小出 芳彦; 白井 浩; 鎌田 裕; 福田 武司; 芳野 隆治; JT-60チーム
Review of Scientific Instruments, 70(1), p.372 - 374, 1999/01
被引用回数:3 パーセンタイル:33.24(Instruments & Instrumentation)干渉フィルターを用いた荷電交換再結合分光法により、JT-60UプラズマのL-H遷移時、鋸歯状振動発生時のイオン温度、プラズマ回転速度を1msの高時間分解能で測定した。この計測システムは、JT-60Uでの光を光ファイバーを通してフィルター分光器に入射して、1/3ずつの光の分岐した後、3枚の干渉フィルターで分光し、3台のフォトマルで検出する構成となっている。干渉フィルターは、測定するイオン温度の範囲に合わせて、中心波長、バンド幅が選択される。3つのフィルターにより、スペクトルは中心波長付近、両サイド波長の3成分に分けられ、それぞれの強度比からイオン温度、回転速度を決定するL-H遷移時は、端プラズマ付近でイオン温度の急速な上昇及び回転速度の変化を測定した。プラズマ端で閉じ込めが改善され、プラズマ中心に向けて熱が伝導する様子が、各位置の時間変化から観測された。
Afanassiev, V. I.*; 草間 義紀; 根本 正博; 近藤 貴; Petrov, S. Y.*; Kozlovskij, S. S.*; 佐藤 稔; 森岡 篤彦; 塚原 美光; 西谷 健夫; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 39(10), p.1509 - 1524, 1997/10
被引用回数:21 パーセンタイル:58.77(Physics, Fluids & Plasmas)ロシア・ヨッフェ研究所との協力でJT-60Uに導入したアルファ粒子分析器を用いて、以下のことが明らかとなった。(1)検出器の水素粒子に対するエネルギー分解能及び中性子に対する検出感度は較正結果とほぼ一致した。(2)ヘリウムプラズマにおいては、ICRF加熱で生成される高速プロトンの中性子過程は、0.4MeV以下ではHe、0.6MeV以上ではCとの荷電交換が主である。(3)ICRFとNBIを用いた複合加熱時にビームの入射位置を変えると、HeとCの平均自由行程の違いから高速プロトンの中性化への寄与が変化し、中性粒子スペクトルに差が生じる。その他、ICRF加熱パワーを変えた場合及びプラズマ密度を変えた場合についても、高速プロトンの中性化におけるHeとCの役割について述べる。
朝倉 伸幸; 小出 芳彦; 伊丹 潔; 細金 延幸; 清水 勝宏; 飯尾 俊二*; 櫻井 真治; 逆井 章
Journal of Nuclear Materials, 241-243, p.559 - 563, 1997/02
被引用回数:63 パーセンタイル:96.24(Materials Science, Multidisciplinary)JT60Uの高密プラズマ放電中でのスクレイプ・オフ層(SOL)におけるプラズマ分布を初めて計測し、ダイバータがデタッチ状態になるまでの磁力線に平行、半径方向のプラズマ輸送について実験・解析結果をまとめた。電子温度、密度分布は可動静電プローブを用い、イオン温度分布は荷電交換分光装置(CXRS)を用い、高空間分解のデータを得た。特に、電子温度、密度分布とも主プラズマ境界付近に、勾配の急な領域(第1SOL)とその外側に勾配の緩い領域(第2SOL)が存在し、密度上昇と共に第1SOLの幅が狭くなり、第2SOLが広がっていくことを明らかにした。さらに高密度ではダイバータ部でMARFEが発生すると同時に、第1SOLがなくなり、主プラズマ内部でも境界から10cm程度内部まで閉込めが劣化するため、MARFEが主プラズマ内部へ浸行したことを実験的に確認した。さらに、イオン温度と分布の勾配の比較結果も示した。
玉井 広史; 荘司 昭朗; 永島 圭介; 三浦 幸俊; 山内 俊彦; 小川 宏明; 川島 寿人; 松田 俊明; 森 雅博; 居田 克巳*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.365 - 369, 1995/00
被引用回数:17 パーセンタイル:82.2(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mトカマクにおける外部ヘリカル磁場の印加による密度限界の改善を、ヘリカル磁場と周辺プラズマの相互作用という観点から調べた。ヘリカル磁場を加えることによりプラズマ周辺部の放射損失が減少し、密度限界が最大30%増加した。密度限界付近での内部インダクタンスはヘリカル磁場の有無にかかわらずほぼ同じ値まで増加する。ヘリカル磁場を加えるとインダクタンスの増加が遅れるため、ヘリカル磁場のないときの限界を越えて密度を上げることができる。荷電交換再結合放射スペクトルを用いた分光測定によると、ヘリカル磁場を加えると正の径方向電場が形成されており、プラズマ周辺部での電子損失の増大と定性的に一致している。密度限界の改善は、この形成された電場が不純物イオンのプラズマ中への混入を防いで周辺部の放射損失を抑制し、内部インダクタンスの増加を抑えたことによると考えることができる。
竹永 秀信; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸; 辻・飯尾 俊二*; 嶋田 道也; 菊池 満; 内野 喜一郎*; 村岡 克紀*
Nuclear Fusion, 35(7), p.853 - 860, 1995/00
被引用回数:5 パーセンタイル:24.58(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの高イオン温度Hモードにおける、粒子閉じ込め特性について議論した。まず中性子輸送解析コードDEGASとDの放射光測定を組み合わせた、中性粒子挙動解析より、粒子閉じ込め時間()の定量的評価を行った。その結果、は平均電子密度に強く依存すること、とエネルギー閉じ込め時間の比は1-2の範囲にあること、周辺のイオン温度とともにが増加することを明らかにした。さらに周辺部でのパワーバランスにおける、粒子閉じ込めの役割を調べるために、粒子閉じ込めに関連するパワー損失である荷電交換損失および熱滞留損失を定量的に評価した。またこれらの値を用いて、熱伝導損失を見積り、最終的に熱伝導係数(x)を求めた。その結果、周辺パワーバランスにおける、荷電交換損失および熱対流損失の寄与は小さく、周辺のxが大きく変化することを示した。
白井 浩; 平山 俊雄; 小出 芳彦; 吉田 英俊; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 福田 武司; 杉江 達夫; 安積 正史; D.R.Mikkelsen*; et al.
Nuclear Fusion, 34(5), p.703 - 727, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:31.19(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60及びTFTRでは、中性粒子入射(NBz)加熱時に荷電交換再結合分光(CXRS)によりイオン温度分布が測定されている。このイオン温度分布の実験値と、イオン温度勾配不安定性(モード)及びドリフト波不安定性(捕捉電子モード等)に基づくイオン熱拡散係数のモデルを用いて計算で得られた分布を比較した。JT-60のLモードプラズマでは広範囲なプラズマパラメータ領域において実験値と計算値は良い一致を示した。TFTRのLモードプラズマでは、プラズマの周辺領域において計算値は実験値よりも高くなった。プラズマの中心イオン温度が10keVを超える高イオン温度モードプラズマでは、イオン温度の分布は実験のそれに比べると平坦で、かつ中心イオン温度もかなり低いものになった。高イオン温度モードプラズマでは、これらの不安定性の安定化機構や他の輸送機構(熱ピンチ等)を考慮する必要がある。
飛田 健次
JAERI-M 92-214, 105 Pages, 1993/01
JT-60で行なわれた能動的中性粒子診断法に関連する実験結果をまとめた。まず、プラズマに高速中性粒子ビームを入射し、そのビームのシャインスルーを調べた。その結果、水素ビームの減衰過程において、多段階電離によると考えられる断面積の増大を初めて観測した。中性粒子ビームの小角散乱を利用したイオン温度測定法において、プラズマ中の高エネルギーイオンの効果、中性粒子分析器の装置関数の効果等を評価した。また、ヘリウム原子ビームとヘリウムイオンの二電子性荷電交換を利用して、ヘリウム灰検出の模擬実験を行った。能動的中性粒子計測において、寄生的に生ずるノイズの研究を行った。このノイズを逓減する方法を提案した。
福田 武司; 菊池 満; 小出 芳彦
Proc. of the 20th EPS Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics,Vol. 17C,I, p.I-31 - I-34, 1993/00
JT-60Uで観察されるH-モード遷移現象を調べた結果、(1)乱流揺動強度がポロイダル回転速度のシアー増大に伴って減少すること、(2)不純物の寄与を取り込んだ実効的なイオンの衝突度は、磁場が低い場合に0.5近傍の値をとるが、4Tの放電では極端に小さくなることを示した。また、(3)通常のH-モード放電ではプラズマの周辺部において電子の反磁性ドリフト方向へのポロイダル回転が生じ、急峻な径方向内向きの電場の勾配が生成されるのに対し、高ポロイダル・ベータH-モード放電では規格化半径にして0.8~1.0の領域で径方向外側向きの電場が生じることを示した。さらに、磁場の乱流揺動強度の増大がこの場合に確認されたことから、高エネルギー電子のH-モード遷移への係わりを指摘した。これらの結果は、これまでの中型トカマクにおけるH-モード現象に対する理解を飛躍的に発展させるものである。
逆井 章; 小出 芳彦; 久保 博孝; 杉江 達夫; 嶋田 道也; 平山 俊雄; 朝倉 伸幸; 河野 康則; 細金 延幸; 中村 博雄
Journal of Nuclear Materials, 196-198, p.472 - 475, 1992/00
被引用回数:3 パーセンタイル:35.31(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおいて、主な不純物である炭素及び酸素の密度分布を荷電交換再結合分光法(CXRS)により測定した。接線方向に視野をもつCXRS計測により、炭素、酸素の完全電離イオンの径方向分布が測定できる。CXRSでは、絶対感度較正の結果及び中性粒子ビームの密度分布、CVI529.0nm(n=8-7)、OVIII606.8nm(n=10-9)に対する衝突過程による励起速度係数から不純物密度分布が得られる。プラズマ電流I=2MA、B=4T、NB加熱パワーP=20MWの典型的な重水素プラズマでは、Cの密度分布は中心ピークの分布で、時間的にゆっくりとピーキングしているのが観測された。この結果は、輸送係数のピーキングパラメータCvが0.5から1.0に変化していることを示す。拡散係数Dは、荷電交換再結合放射光の時間変化を解析して得られている。鋸歯状振動、ELMが発生している時のDを解析して議論する。
草間 義紀; 飛田 健次; 伊藤 孝雄; 根本 正博; 塚原 美光; 竹内 浩
Review of Scientific Instruments, 61(10), p.3220 - 3222, 1990/10
被引用回数:2 パーセンタイル:43.41(Instruments & Instrumentation)核融合炉級トカマクにおいてはアルファ粒子の閉じ込め特性に関する研究が重要である。高エネルギー診断用ビームを用いた二重荷電交換法はアルファ粒子診断法として最も信頼性の高いものと考えられている。JT-60Uではアルファ粒子の挙動を研究するため、アルファ粒子生成実験が予定されている。診断用ヘリウムビームを用いたアルファ粒子測定が計画されており、そのためのアルファ粒子束とスペクトルが評価された。このヘリウムビームを用いることにより1.8MeVまでのアルファ粒子の測定が期待でき、そのスペクトルからアルファ粒子の閉じ込めに関する知見が得られる見通しである。今日のトカマクでアルファ粒子測定法を確立することは、次期装置における測定法を確立するうえで極めて重要である。本論文では、次期装置におけるアルファ粒子測定についても言及する。
三浦 幸俊; 松田 俊明; 山本 新; 前野 勝樹; 竹内 浩; 星野 克道; 河西 敏; 河上 知秀; 川島 寿人; 的場 徹; et al.
JAERI-M 87-042, 11 Pages, 1987/03
重水素プラズマに水素中性粒子ビ-ムを入射した追加熱実験時に、そのビ-ムライン上で荷電交換反応が増加する事を利用した能動法によるイオン温度測定を行なった。測定には、E//B型質量分離中性粒子エネルギ-分析装置を用いた。測定系の幾何学的条件より、得られたイオン温度と中性粒子エネルギ-スペクトラムは中心より約1/3外側の情報である。プラズマのバルクイオンである重水素のエネルギ-スペクトラムはマックスウェル分布で、イオン温度としては約350eVから約900eVまで上昇していた。またこの測定法からは、イオン温度だけでなく 局所的な重水素と水素の密度比、入射しているビ-ム粒子の密度も簡単に しかもS/N良くモニタする事ができ、中性粒子ビ-ム入射による追加熱実験時には有効な測定手段であることが確認された。
木村 晴行
JAERI-M 8890, 124 Pages, 1980/06
ダイバーター付きトカマクDIVAに於けるオーム加熱時及び高周波加熱時の周辺(スクレープ・オフ層)プラズマを含めたパワーバランスについて述べる。まず周辺プラズマの計測方法について述べ、オーム加熱の場合にこれ等をダイバー夕ープラズマに適用し、得られた測定結果から通常のトカマクの周辺プラズマの性質を明らかにする。次に周辺プラズマの比例則を周辺プラズマを含めたパワーバランスの考察から導く。壁への熱流束及び荷電交換損失を含めた全放射損失の測定により全体のパワーバランスを明らかにする。最後に高周波加熱(ICRF)の場合のパワーバランスについて述べる。まず2-イオン・ハイブリッド領域でのICRF加熱の最適条件を明らかにする。次いで最適な加熱条件に対して周辺プラズマを含めたパワーバランスを考察する。高周波パワーの径方向分布、各成分粒子への加熱パワーの比率及び加熱時のイオンの輸送をパワーバランスの観点から明らかにする。
松澤 通生*
JAERI-M 8676, 33 Pages, 1980/03
高電離重イオンの関与する荷電交換過程 ABA+B に関する種々の理論的モデルの現状について調査した。各モデルの適用限界、相互の関係について議論し、評価を行なった。特に次のこの二つの一電子系における荷電交換過程C+HC+HFe+HFe+Hを例とし、各モデル間の詳細な比較を行った。核融合への応用上重要な荷電交換断面積のスケーリング則、UV又はX線レーザーへの応用上重要な荷電交換後の高電離重イオンの終状態の分析について、各モデルから得られる理論的予言をまとめ相互の比較を行なった。理論の結果と現在入手可能なデータとの比較も試みた。